映画のことほか

2010/01/22

 映画の話ですが、ちょっと前に今世紀最高のマダム映画と名高い「母なる証明」を観てきましたよ。
 息子の冤罪をはらすため、母親が奮闘するミステリもの……と聞いていたのですが、なぜか主役のマダムが野っ原で一人激しく踊り狂うという意味不明のシーンから始まり、思わず「どうしよう」という気分になったのですが、終わってみれば非の打ち所のない大傑作でした。
 母ちゃんが警察署の人に栄養ドリンクを配ったりとか、記憶障害の息子が立小便しているときに薬を飲ませたりとか、日常の描写が異常に生々しくて重い気分になりましたが……。


 あと「アバター」観てきました。
 むろん3Dで。アメリカ人のように「ワーオ!」などと激しくのけぞりながら観てきました。
 箇条書きで思ったことを。

●パワードスーツ的なアレが超かっこいい
 思ったよりメカメカしいものがたくさん出てきて非常に楽しかったです。

●パイロットのお姉ちゃん
 あの人は文句なくEROい。

●リンク強制切断用のスイッチ
 アバターとリンクするためのポッドの横に、リンクを強制的に切断するボタンがあるのですが、このボタンがまるで早押しクイズのボタンのようにえらく押しやすそうな形状なのが印象的でした。
 あれ絶対うっかりぶつかったりしただけで押されますよ。
 実際、かなりの勢いでばんばん押されてました。

●ナヴィのヒロイン
 主人公ジェイクさんはナヴィという原住民族の内部に任務のために潜入するのですが、うっかりナヴィの娘と恋に落ちてしまうわけですよ。
 なんかこう、さすがに異種族なんで「いやいや、これはねえだろ」と思いました。
 思いました。
 思っていたのですが……不思議なもので、物語も最後のほうになると「これはこれで……悪くない」と思っている自分を発見したのでした。
 ナヴィの娘で、抜けるのか?

 抜ける。
 抜けますよ。


 そう雄々しく告げる内なる声が聞こえたのでした。二回ほど。

 それはともかくとして、大満足の映画でした。もう普通にCGなのか本物なのか見分けがつかないのう、技術の発展はすごいのう……と思いつつ、惑星パンドラの大自然の厳しさ・美しさに酔いしれました。
 俺もナヴィ族になりてえと思いました。
 そして自然と調和しながら生きていきたい。
……いや、嘘です。やっぱり人類側に回ってミサイルとか大量に打ち込んで森を焼き尽くしたりパワードスーツで大暴れするほうが楽しそうだと思いました。



 話変わって、読んだ本のこと。
 ガガガ文庫の「武林クロスロード」を読み、その過激さ、というかやりたい放題ぶりに感銘を受けました。
 がっつり腹筋の割れた女拳士たちが活躍する痛快武侠小説なのですが、とにかくバイオレンス→エロス→バイオレンス→エロス→バイオレンス……というめくるめく世界が病みつきになリます。
 エロスというのも常々俺が親しんでいる微EROとか寸止めなどではなく「ガチERO」……それもほとんどがERO拷問という徹底ぶり。
 物語で出てくるほとんどの建物にはなぜかたまたま拷問室が完備されており、捕らえた敵の武侠から情報を聞きだそうにも並大抵の苦痛には屈しないため、それではERO拷問を実施せざるを得ないというわけであり、その美しい流れに感動すらおぼえるほどです。
 出てくるキャラクターは女性ばっかりで、女性同士のまぐわりんぐ的なアレがダイナミックに繰り広げられるわけですが、恐るべきことに当然のようにみんな男根ついてます(特殊な薬で生える擬似男根)
 むしろ「生えてない」女性のほうが少数派であり、武林ワールドはまさに性の超空間です。男とか女とか……生えてる生えてないとかどうでもいいじゃないか……とにかくEROければいいじゃないか!

 気功とか発勁とかを駆使して闘う描写は読んでて楽しいです。
 外功を鍛えているので鎧が不要=裸同然のERO衣装でOK、という隙のない理論にも納得せざるを得ません。
 もっともらしく母乳を出す気功とかが出てくる件については、もう爽やかなまでに「ただ母乳プレイやりたいだけですよね!」という話なのですが、とにかくEROいのですべてが許容されます。
 話が急展開した4巻で一部完となっており、二部開始が待たれるところです。

 ちょっと前に縁あって作者の深見真氏にお会いしたのですが、およそ50ページに1回は拷問シーンを書くようなハードコア作家とは思えぬ、温和で折り目正しいお方でした。もしかしたら懐にギャグボールの一つも隠し持っておられたかもしれませんが……。

今さらですが

2010/01/08

 冬コミでは大勢の人々が生温かい視線を俺たちに投げかけながら同人誌を手にとってくれました。
 ありがてえ。
 ありがたくて陰茎が猛々しく励起しそうです。
 お、今年初めて「陰茎」という語句を書いたな。俺は死ねばよい。

 それはともかく同人サイトでも書いてますが、当日配布したペーパーとか企画書?というのもおこがましいなにかを公開しているので、よろしければ。
 ぽもろっそ×瓜仁成のサイバーすぎてパンクきわまりないコラボレーション……まるで遅れてきたクリスマス・プレゼントのようだね……。死ねばよい。

 あと今回の新刊「サイバーパンカー」ですがCOMIC ZINさんにて少数ですが委託&通販してもらってますので、遠隔地のサイバーパンカーどもはぜひ。

栄光について

2010/01/08

 あけましておめでとうございます。

 昨年の終わりの日、紅白歌合戦で巨大な幸子を目撃した瞬間から寝続けて、七日七晩眠り続けて、七つの朝と七つの昼、そして七つの夜を経て、ようやく俺は目覚めたような気がしたがもちろんそんなことはなく、元旦から六時間寝て、十時間を無為に過ごしてまた六時間寝る、ということを何度か繰り返して今に至る。
 神はだいたい六日間ぐらいで世界をつくり、七日目には休んだ。
 俺という人間は三十数年を経てつくられており、七日目に休んだり休まなかったりしているが、たぶん世界より上等ではない。

 そんなふうに2010年に目覚めて、初めて考えたことは以下のとおり。
 すなわち――「まるで俺の人生はデータイーストの『闘人魔境伝 ヘラクレスの栄光』のようだ」

 まず、タイトルに「栄光」を謳いながらも、栄光からほど遠い。
 そもそも栄光ってなんだ?
 幸せってことだろうか。
 誰かの愛を得ることか。
 あるいは愛を与えることか。
 誰かに打ち勝つことだろうか。
 それとも、なにかを後世に残すことだろうか。
 栄光。
 栄えある光。
 けれどデータイーストはもう存在しない。

 でたらめなパスワードを入力しても続きをプレイできるあたりも、かなり俺の人生に近い。
 要するに、どれだけいい加減でもとりあえずなんとかなるのだ。
 ペルラの神託所でありがたく授かったパスワードも、しょせんはそんなものだ。
 そうやって投げやりなパスワードで始めた場合のヘラクレスは、低レベルなのに特定のステータスだけが異常に高かったり、重要なアイテムを持っておらずゲーム進行が不可能だったり、武器や防具を一切もっていないのに大量のニンジンを所持していたりする。
 どうしてニンジンなのか。
 なにに使うつもりなのか。
 誰にもわからないし、わかりたくもない。

 今思えば、鍛冶屋のヘパイストスもかなり味わい深い。
 ヘラクレスの栄光というゲームにおいては、人の勇気や希望と同様、武器も摩耗する。
 すり減った武器はヘパイストスのところで小銭を支払うと元通り修理することができる。
 だが、ヘパイストスにまとまった金を払うと、彼はその場で鍛冶屋をたたみ、ヘラクレスの専属鍛冶師となる。
 たかだか5000ゴールドで、ヘパイストスは一生、永久的な奉仕を強いられる。
 彼はヘラクレスの戦闘が終わるたびに傷ついた武器を修理する。
 まるでそれが生まれてきた意味であるかのように、武器をひたすら修理し続ける。
 魔の山とか冥界とか、凶悪な魔物が徘徊する物騒なところにもヘパイストスは律儀に付き従い、その苛酷な労働環境について文句の一つもいわず黙々と武器を修理する。
 それは決して不毛ではないし、ヘラクレスにとって(ひいては彼によって救われる世界にとって)とても有用な行為なのだけれど、どうしても俺はヘパイストスに同情してしまう。 
 汗と血にまみれた戦闘が終わるたびに甲高い槌音が響き、なにかが修復された代わりに、どこかでなにかが壊れるような気がする。

 最後に、有名な話を。
 中ボスのアマゾネス女王トルバは「にゃんにゃんしませんか?」と唐突に問いかけてくる。
 それに「はい」と答えると、当然のように騙し討ちされるわけで、もちろん昔の俺は「はい」と回答して大ダメージを喰らった。

 実際のところ俺の人生には誰かから「にゃんにゃんしませんか?」と二択を迫られるようなことは特になかったので、あまり思うところはない。
 あのとき、にゃんにゃんできなかった俺は、だからきっと栄光からはほど遠いのだろう。
 大量のニンジンを抱えて、ただ途方にくれるだけだ。

 今年もよろしくお願いします。


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