最近のアニメ(まどかマギカとRio)

2011/01/30

 最近観ているアニメのこと。
 ネタばれを絶賛含みます。

魔法少女まどか☆マギカ
 これは、ずっと楽しみにしていたアニメです。
 なぜかいつまでたっても発売されないXBOX360版のPhantomと同じぐらい楽しみにしていました。
 そして例によって例の3話目できっちりトラウマを植え付けれられました。
 あの虚淵玄の旦那が脚本をやっているということで、ある程度の心構えがあったはずなのに……ひどい……ひどいよ。
 おそらく唯一の巨乳キャラであったであろう彼女をこうもあっさり、しかもこれ以上なく残虐に……。

 そういうわけで今後とも目が離せやしない。
 4話の時点で未だに主人公のまどかが魔法少女になっていないという重厚すぎる展開。
 常日頃から「あー魔法使いになりてえな」とつぶやきながら生きている俺ですが、このアニメを観てからというもの、もはや気軽に魔法少女になりたいなどとは口に出せなくなりました。そもそも三十路を超えた男が口に出して良い言葉ではありませんが。

 あと見た目の可愛さとは裏腹に「黒い」であろうことが予想されているキュゥべえ(魔法少女につきもののマスコット的小動物)ですが、どうなんだろう。なんか、そんなに悪いやつでもないような……いや、しかし……。
 放映開始当初、キュゥべえが口を一切動かさず念話で会話するのは、きっと口腔内に凶悪な牙がびっしりと生えているからだと思っていたのですが……。

【この前考えた、今後キュゥべえが言いそうなセリフ予想】
「ま、しかたないよネ。もう契約しちゃったんだから」
「あれ、言ってなかった? 魔法少女は辞められないんだヨ」
「あーあ、意外と長持ちしなかったなあ。また次の女の子を探さないと」


 4話の展開が限りなく喪黒福造的な感じのアレを想起させるのが気のせいだと思いたい。
 俺は愛の戦士こと虚淵玄氏を応援するとともに信じています。心から。


Rio Rainbow Gate!
 いや、これも素晴らしいアニメですよ。
 なにが素晴らしいって、およそ15秒に1回ぐらいの割合(※)でおっぱいやらケツやらが出てくるんですよ。

  ※個人的な統計によるものです

 どこか遠くの島にある総合レジャー施設「ハワードリゾート」で働く美少女ディーラー・リオが、毎週あの手この手でセクハラという言葉すら生ぬるいERO勝負をけしかけられるアニメです。
 とりあえず今週の4話はこんなん。

●リオと姉妹のように育った幼なじみのリナが登場し、ちょっとどうかと思うぐらいに百合百合しいスキンシップを繰り返す二人。
 その様子に目をつけたハワードリゾート社長がまたERO勝負を画策する。

●カジノでディーラーをして働いているリオとリナ。
 いきなり二人の足場が落とし穴よろしくパタンと開き、どこぞへ落下していく。
 もちろん行き先はERO勝負会場なわけですが、ここはいったいどういう施設なのか。

社長「大変ながらくお待たせいたしました…ただいまより禁断の美少女ディーラー対決”セクシーディスクシュート”を開催いたします!」
観客「ヒャーッホーウ!」

●さも当然のようにセクシーディスクシュートなる競技が始められる。
 懇切丁寧な解説によると……クレー射撃を交互に行い、的を外すと射手の服が一枚ずつえらいことになっていくという近年まれに見る画期的なシステム。
 いったいどこの誰ですか、こんなたわけた競技を考えた人は?
 本当にありがとうございます。

 以下、観客たちの喜びの声。

「うおおーっ!」
「最高だぜーハワードリゾート!」
「客たちのハートを鷲掴みだーっ!」
「心憎いサービスに号泣だぞーっ!」


 ここまで観客たちの心情と一体になれるアニメはそうそうないと思います。

●一射目、リオの先行。
 会場には清々しいまでの「は・ず・せ!」コール。
 もちろん俺もテレビの前で参加していました。

 期待を裏切ることなく一つ的を外してしまい、おっぱい部分がえらいことになるリオ。
 会場には謎の強風が吹き荒れており、そのせいで的を外してしまったのだが……。

「さっきまで吹いていなかった風が、なぜ急に……?」
「彼ら(観客)の服を脱がせることを渇望する思いが、ピンク色の風を呼び起こしているのね……!」


 あまりにも言語道断な理屈で大ピンチとなるリオ。

●観客の中に混じって勝負を見守っていた老紳士が突如として男塾的な素敵解説を開始。

「リナという少女、顔に似合わず非情だな」
「えっ?」
「脱衣の順番だ。普通、脱衣ゲームはまず小物からいくものだ。最初から大物をリクエストする……友が恥をかこうとも、勝つために動きを封じたのだ……!」


 非の打ち所のない解説。特に「脱衣ゲームはまず小物からいくもの」という言葉の重みは、スーパーリアル麻雀世代の俺たちにはずしりとした説得力をもって響きます。

●その後、なんだかんだあってゲームは引き分け。
 最終的にあられもない姿になってしまい「私の負けね」と笑うリオ。
 しかし、リオがリナに対して恥ずかしい思いをしないように配慮していたことを知り、リナは自分の負けだと申し出る。
 その際にもえらく小気味いい反応を示す観客たち。

「ナイスゲームだったぞ!」
「さわやかすぎるノーサイドだぜ!」
「勝ちを譲りあうフレンドシップに感動だ!」


 つい先ほどまで脱衣への渇望で強風を巻き起こしていた連中のものとは思えない言葉です。
 とりあえず「さわやかすぎるノーサイドだぜ!」はすべてをなかったことにする便利な言葉として積極的に使っていきたい。


 毎週こんな勢いです。
 頻繁におっぱい分やらケツ分を摂取しないと心臓が停止するような奇病にかかっている人にとっては必須と言ってよいアニメです。
 とにかく肉体疲労時のおっぱい補給に最適というか、ふと人生に疲れたとき「あ、なんか、おっぱい……見たいな」などという欲求に真っ向から応えてくれる男気あふれるアニメと言っても過言ではありません。
 ただまあ、それらに意味を見出せない人にとっては正直まったく観る意味のないアニメですね。良識ある大人としての知性とか理性を保ちたい人には、絶対におすすめできません。

 俺は毎週観ます。欠かさず観ます。

ちゃんと!

2011/01/16

 何年かぶりに風邪をひいた。
 先週末、仕事を終えたあたりから、どうにも寒気がして身体がだるいような気がしていた。
 寒いのは冬だから当然だし、身体がだるいのは新年会の酒やら寝不足のせいだろうと思っていたら、実は風邪だった。

 風邪をひくのが本当に久しぶりすぎて、風邪だと気づくまでにしばらくかかった。
 家に帰り、だるさを通り越して身体の節々がにぶく痛み出し、鼻水と咳が止まらなり、ようやく「あ、ヤバい。風邪だこれ」などと気づいたのだった。
 あわてて風邪の対処法を思い出そうとする。
 うがい。手洗い。
 それは予防法だからおそらくもはや手遅れであろう、などとくらくらする頭で考えつつも、とりあえず口をゆすいで手を洗ってみる。
 水が冷たい。
 死ぬほど冷たい。
 手のひらで感じた寒気が身体の奥深くに届き、俺は全身を震わせる。
 普段ならすぐにおさまるはずのちょっとした寒気が、ずっとおさまらない。
 震えで歯が鳴るほどに寒い。

 うおお、寒い。寒すぎる。
 俺は布団の中に潜り込む。出しっぱなしのコタツも併用し、全力で俺自身を温める。

「さみー、さみー、さみー、マジさみー」

 呪文のようなつぶやきは、俺自身の声だ。
 それを完全に無意識に口にしていて、あ、これは「うわ言」というやつだな、と俺は思う。
 しかし本当に寒い。
 身体に力が入らない。

 そのとき、唐突な尿意をおぼえ、それが意味することについて俺は恐怖する。
 え、おいおい、マジかよ。
 暖房の効いていないトイレまで行って、用を足してくるのかよ。
 こんなにも寒いのに?
 ワンルームの、たかだか二メートルも離れていない距離のトイレにおもむくまでの困難さ、それに至る無力さを思い、俺は深く落胆する。
 そうだ、思い出した。
 これが風邪だ。
 どうして今まで忘れていたんだろう……という疑問は、頭を侵す熱にぼんやりと飲み込まれた。


 そうして丸一日ばかり寝こみ、ようやく俺の体調は快方に向かう。
 大量の汗で布団のシーツが重く湿っていた。
 使い古しているそのシーツは、よく見るとところどころ汚れたり布地が裂けたりしており、ひどくみすぼらしく痛々しい。
 買い替えどきだなと思い、駅の近くにあるデパートに行くことにする。

 幼いころ、自分にとってのデパートは玩具のフロアがすべてだった。
 それ以外のフロアにはいっさい興味はなく、ましてや用事ができることなど微塵も想像しなかったし、できなかった。
 俺は玩具のフロアをエスカレーターで素通りし、寝具売り場へと足を運ぶ。
 シングルサイズの「毛布カバー(がーぜ)」とラベルされている商品を陳列棚から手に取る。
 すぐ近くに、まったく同じサイズ・同じ会社の製品で「毛布カバー(ガーゼ)」という商品があることに気づく。なぜカタカナとひらがなで同じようなものがあるのだろう。
 表記の差だけならまだしも、カタカナの「ガーゼ」のほうが「がーぜ」より500円ほど高い。
 この価格差はなんなのだ。
 カタカナとひらがなでどういう差異があるというのだろう。
 俺はどちらを買えばいいのだろう。

 数分ほど悩んだ末、けっきょく俺は最初に手にした「がーぜ」のほうを購入した。
 もともと「ガーゼ」はドイツ語であり、すなわち外来語だ。日本における言葉の用法として、外来語はカタカナで表記するのが一般的のはずであり、そうであれば「がーぜ」とは「ガーゼ」とは似て非なる謎の織物なのだろうか……。
 そんなことを考えつつ「レジ袋削減にご協力ください」と書かれているレジで会計を済ませ、普通にレジ袋をもらい一抹の罪悪感に駆り立てられる。

 帰宅するべく俺は下りのエスカレーターに足を乗せ、身体を沈ませていく。
 下へ、外界へ。
 その途中、子供衣料のフロアを通りすぎる。
 来るときには気付かなかったが、大きな広告ポスターが貼り出されており、そこにはこうある。

ちゃんと

 入学式は第一印象がだいじ
 小学生は毎日がだいじ
 ちゃんと! 一年生



 入学式。
 そうか、もう入学の季節が近づいてきているのか。
 こんなにも寒いので実感がわきづらいが、春の訪れは遠くない。
 そう思ってみると、つかの間、春のそよ風が吹いたような気がして不思議な暖かさを感じたような気がする。

 それにしても、小学生か。
 もはや自分に小学生時代があったということなど、設定上の話なんじゃないかと思うぐらいに、あまりに遠すぎて現実味がない。
 ちゃんと……か。
 風邪ごときで弱っている場合ではない。
 小学生に負けないよう、俺も「ちゃんと」しなければ。
 そんな殊勝な思いを胸にした俺は、広告ポスターの右横に描かれているイラストを目にする。

ちゃんと先生

 俺は思わずエスカレーターを転げ落ちそうになる。
 誰だ。
 いったい誰なのだ、おまえは。
 心の中で力いっぱい問いかける。
 いや、わかっている。よくよく見れば、ご丁寧にも右横に小さく書いてある。

「ちゃんと先生」

 先生――だというのか。
 子供の規範となり、その指導にあたる大人であることを意味する「先生」だというのか。この人物が。
 そう表記されているからには先生なのだろう。
 しかし「ちゃんと先生」とは何事か。
 そもそもあなたが一番ちゃんとするべきではないのか。
 ランドセルは頭部にかぶるものではないだろう。
 そんな奇矯な格好をして、どの口で「第一印象がだいじ」などと言えるのか……。

 思わず口をついて出そうになる数々の指摘事項をすんでのところで飲み込み、ひとまず俺は深く息をつく。
 深呼吸。
 あるいはため息。
 ここで俺はうっかり、一言だけ言葉を漏らしてしまう。

「……ちゃんとしよう」

 下りエスカレーターのすぐ二段ほど前にいたご婦人が、怪訝そうにふりかえった。

正月にエヴァ破を観る

2011/01/06

 あけましておめでとうございます。
 冬コミで出した新刊「PLAN B」通販始まりました。
 興味ありましたらよろしく。


 正月は、まあ例によって特に書き記すような出来事もなかったのだが、あえて挙げるならヒライが来てぐだぐだしていったことぐらい。
 ヒライは持参した焼酎("ナポレオン"などと書かれている安い感じの酒)をひたすら飲んでいた。
 俺がゲームやったりする横で、黙ってコップに酒とサイダーを混ぜて注ぎ、飲んでいた。
 というか、飲み過ぎていた。
 どれぐらい飲み過ぎていたかというと、

「ひとつ、気づいたことがある」

 いきなりヒライが深刻そうに語り出し、なんだよ、と俺が面倒くさげに問うと、彼は腹立たしいまでのドヤ顔で、

「ぼくは……飲み過ぎてる」

 などと自ら高らかに宣言するほどに飲み過ぎていた。

 その後、しきりに
「少なくとも600ミリリットルは飲んでる」
「いや、700ミリリットルぐらいかもしれん」
「いやいや、やっぱり600ぐらいか……」
 というような繰り言をつづけていた。
「どうでもいいわ!」と俺が切り捨てるまで言いつづけ、そして唐突に寝た。

 俺はゲームを遊んでいて、寒そうなソビエトの収容所を脱出するステージをクリアしたところでXBOXの電源を切った。
 ふと気がつけば2011年で、今年は俺もどこかへ脱出できるのだろうかと思いながら横になった。
 
 なにか夢を見ることもなく薄暗い部屋で目覚め、もそもそと酒のつまみの残りを食い、それが尽きるとメシを食いに出かけた。

「あー、エヴァ破観てえな」

 ヒライがそんなことを言い出し、部屋にあったエヴァ破のブルーレイを再生する。

「もう俺ら、ちょっちの人より年上なのか」
「何回観てもちょっちの人は好きになれないな、なぜか」

 俺たちは葛城ミサトのことを「ちょっちの人」と呼ぶ。なぜなら、彼女はことあるごとに「ちょっちね」などという言葉を吐き、俺たちの繊細な心にしょっぱい塩をすり込むからだ。

「ゲンドウさんの部屋って無駄なスペース多すぎないか」
「ゼーレの人たちに囲まれながら会議してるあの部屋もスペースの余剰ぶりがはなはだしい」
「そもそも、なんで四方を包囲されながら会議してるんだろう。あれは疲れるんじゃないか」

 そうして俺たちは、理不尽なもの、余計なものを許容できない己の狭量さ、矮小さを、正月早々胸いっぱいに抱きしめる。

「あらためて観ると加持さんホモホモしいな」
「あと、すげえ意味深なことばっかり言ってるな」
「でも俺たちより年下なんだよな」

 加持さん、ゲンドウさん、冬月さん、カヲルくんのことを俺たちは「エヴァ意味深四天王」と称する。なぜなら口を開けば意味深なことばかりを言うからだ。
 彼らはとにかく
「ネブカドネザルの鍵だよ」
「はじまったな」
「ゼーレが黙っちゃいませんぜ」
 などという意味深な言葉を次から次へと繰り出すのだ。
 これだけ意味深なことばかり言っていてまともな日常生活が送れるのだろうかと心配になるほどだ。
 そんな四天王の姿を見ながら、俺はぽつりと漏らす。

「ちくしょう、俺も一度ぐらい意味深なこと言いてえよ……」

 思えば生まれてこのかた、底の浅い言葉しか吐いたことがない我が身に気づく。

「俺さあ」

 物語は終盤。
 シンジくんが綾波レイを威勢よく一本釣りし、エヴァがよくわからない力に目覚める。
 重力がおかしくなったのか、いろいろな物体が周囲に浮かんでいる。

「俺さあ、大人になったら誰でも意味深なことを言えるようになるんもんだと思ってたよ」
「はは……」

 俺たちの口もとに弱々しい笑いが浮かぶ。
 ネルフ本部がほとんど壊滅し、極めて危険な状況にもかかわらずゲンドウさんが冷静に「計画通りだ」などと言っており、意味深なことをつぶやくのも命がけなのだなと思う。


 今年もよろしくお願いします。


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