毎年毎年この時期になると近所のアメリカ人たちが主に
白濁液に関する下品なことを口走った挙げ句、必ず最後に
「まさにとんだホワイトデーってワケさ!」 と締め括ることでお馴染みの3月14日なわけですが、気が付けば前回の更新から、オイオイもう2週間経ってるよ。
その間に何があったかっていうと、もう毎日毎日仕事の繰り返しで、危うく螢一の心配をしている場合ではないぐらいに性欲を失いかけてました。
そんな救いのない日々の中、唯一、俺を慰めてくれたのは……もちろん新創刊
「COMICジャンク」ですよ。
すごいですよ。この漫画誌は。
ジャンクなどという捨て鉢的な誌名もそうなんですが、なにせ
「新ナニワ金融道」を看板漫画にして売り出してますからね。
早い話が、
どう見ても悪い冗談ですよ。
今さらナニワ金融道の新作が読みたいなどと、いったいどこの誰が望んでいるというのか。
――この俺以外に! というかですね、未だに
ちょっと不自然なぐらい俺らの周辺で流行ってますからね
ナニ金(ナニワ金融道の通っぽい略称)は。
日常会話に
「○○の奴、とびよったで!」「500万ばかりつまんどるがな」「南京豆はあかん、これからはプルトニウムでっせ」などといった用語が薄気味悪いぐらい頻出するのはもちろん、帝国金融の定番マシンであるところの「氏名を入力するとその人の借金履歴のレシートが出力される機械」の購入を検討しているほどです。わりと本気で。
そんな俺ですから喜び勇んで
「新ナニワ金融道」読んでみましたが、えろうしょっぱいことになってはりましたでえ灰原はん。
いきなり最初のページで
「看守さん、お世話になりました」と灰原さんが刑期を終えて出所するシーンに度肝を抜かれます。
灰原はん、いったい何がありましたんや!?
そこへ「おつとめご苦労はん」と車で灰原を迎えに来るのはもちろん桑田はんですよ。
あまつさえ、
「ホレ、バレンタインデーのチョコやで」 と、同棲していた恋人を含め全てを失った灰原にチョコレートを手渡します。
さりげなくチョコのラベルに
「OMEKO CHOCO」とか書かれてあって、ああ、ナニワ金融道だなぁ……と感慨深い気持ちになりました。
そういうことですので、人類はもっとナニワ金融道を読むべきだと思います。
いろいろと時代を先取っていた先進的な漫画だと個人的には思っています。
ご存知でしたか?
なんと「キミキス」でお馴染みの
「でこちゅー」も、すでにナニワ金融道が通り過ぎていた場所だったんだよ!!


まっこと青木先生はおそろしいお方やで……。
萌えなんて言葉がなかったはずの時代に、まさか「でこちゅー」を考え出してはったなんて……。
参考までに、現代のキミキス漫画における「でこちゅー」と対比してみようと思います。
【キミキスの場合】
「キス……したことあるの?」
「え……?」
でこちゅー。【ナニワ金融道の場合】
「ねえキスしてくださらない?」
「えっ?」
でこちゅー。 やべえ。
パッと見、素人じゃ見分けが付かないぐらい同じようなコマの流れじゃないですか。
しかもその萌えっぷりにおいて、何ら遜色がねえ。
むしろ「でこちゅー」シーンにおいて、唇のアップを交えて無駄に3コマも引っ張っている分、
ある種の破壊力はナニワ金融道の方が高いとすら言えまいか。いや、言えよう。
しかし、両者にはっきりと差が現れるのはこの直後でした。
そう、「でこちゅー」された者の反応です。
【キミキスの場合】
「でこちゅーすればおとなしくなると思ってぇ……」 近いうちに近親相姦が発生することが疑いようがないほどにメロメロにされてしまった妹の菜々。
それに比べて、ナニワ金融道の方は……。
【ナニワ金融道の場合】
「チキショウ……」 すごい……醒めてます……三宅さん。 ちなみに、この三宅さんは運送屋・瀬口の恋人で、瀬口の借金を何とかするために灰原さんに色仕掛けを実施しているところです。もっと激しい行為を望んでいたのに、たかだか「でこちゅー」どまりだったので悔しい、というのがその心情です。
のちに
借金返すためにフロに沈められたりと、ちょっと引くぐらいひどい目に遭う不幸キャラの彼女ですが、でこちゅーの創始者としてその名を後世まで残すべきじゃあないかと思います。
いや、やっぱり忘れてもいいです。
なぜか前触れもなくいきなり寝床の中で自分の髪を切ったりして、ちょっと怖いしな、三宅さん……。
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