それをやれ

2005/06/24

 夜ひとりで黙々とニンテンドーDSであり得ない寄生虫をタッチペンで駆除していて、ふと我にかえって自分のどうしようもない孤独さと惨めさに驚愕することがある。
 今さら驚くことのほどでもないんだけど。

 うっかり今この場で頓死しちまったら俺、いったい何ヶ月後に遺体発見されんだよと。
 意味もなくそんな考えに囚われ、意味のない焦燥感にかられてこのようなことを書いていると、俺という人生のログを残してるような気分がして少しだけ、ほんの少しだけ安心できる。それはけっこうマズくないか。みんなもそうか。
 ニートっていうのか。世の中のそういう奴らはもっと世間に出ていけば良いと思ってる。
 ありていに言えば独り暮らしをすればいい。
 そして圧倒的孤独を味わって死ねば良いんだ。独りで。6畳間ぐらいのワンルームの、冷たいフローリングの床の上で。

 親が脳内出血で死にかけない限りうっかり3年も実家に帰らないような俺だが、それでもこの発作的孤独を感じるたびに故郷のことを懐かしく思う。
 俺が生まれたノースカロライナ。麗しき北の大地。

 晴れた太陽の下で牛を追う、ひどくのんきな男たち。干し草の香りがする女たち。麦わら帽をかぶってはにかむあの娘、今はもういない。誰もいない。

 俺はふとサム爺さんの言葉を思い出す。
 裏山のふもとの小屋に住んでたサム爺さん、俺が子供の頃、近所のガキどもに誰も見たこともない自慰の手法を伝授することからシコティーチャー・サムの異名をとったサム爺さんは子供たちに慕われながらも死ぬときは独りだった。
 爺さんは言っていた。二回ぐらい言っていた。

 やられる前に、やれ。
 ドゥーイット。それをやれ、と。

 サム爺さん、俺は、やれそうもない。
 やる気もない。
 ただ、どうやら、先にやられることもないらしい。俺のまわりには誰もいない。
関連記事


コメント

    コメントの投稿

    (コメント編集・削除に必要)
    (管理者にだけ表示を許可する)

    トラックバック

    この記事のトラックバックURL
    http://randamhexa.blog5.fc2.com/tb.php/27-0e30bd17
    この記事へのトラックバック


    RECENT ENTRY